小論文は得意不得意がはっきり分かれると思います。
この記事では、小論文を書くのが不得意な人、全然書けない人が、ある程度まとまりのある小論文を書けるようになるコツを出来る限り詳しく解説していこうと思います。
小論文が入試科目にあるけど苦手だ、困ってるという方はぜひ最後までお読みいただき参考にしていただければと思います。
なお動画でも解説しておりますので、よろしければご覧下さい。
小論文の基本「起承転結」とは
皆さん「起承転結」という言葉は聞いたことありますか?
「起承転結」というのは小論文を書く時の、文の構成の一般的な順番です。
まず「起」で問題提起をして「承」で結論につながる根拠・理由を提示する。
そして「転」で「承」の部分の反論を書き意見をさらに深め、「結」で結論を述べる。
という流れですね。
この基本を念頭に置いた上で、これからのお話をお読みいただければと思います。
まとまりのある小論文を書くコツ
①反論を書かない
先ほど話した起承転結で言うと「転」の部分ですね。
ここはいりません。
特に小論文を書くことに慣れていない受験生は、この反論を絶対に書くべきではない。
なぜ反論を書かない方がいいのか、書いた方が文章に深みが出るのではないのですかと思う方もいると思います。
ただ小論文に不慣れな人や苦手な人がこの反論を書こうとすると、意見に一貫性が失われてしまう可能性が高いんです。
例:学生服は必要かPART1
例えば学生服についての小論文を書くとしましょう。
あとでお話しますが、まずは結論から考えて書いた方がいいので、結論を「学生服は必要だ」という結論に持って行きたい。
この結論になるための問題提起をしなければいけないので、「学生服は必要なのだろうか?」という問題提起にする。
そして結論につながるための根拠・理由を問題提起のあとに述べていく。
そうですね、とりあえず「服装で子供たちが差別されないために学生服は有効だ」みたいな感じですかね。
反論を書くとしたらこの後なんですが、ここまでの流れで、文章として十分一貫性があるのはお判りでしょうか。
「学生服は必要なのだろうか?」
「服装で子供たちが差別されないために学生服は有効だ」
「だから学生服は必要だ」
非常に分かりやすい文章の構成になっていると思います。
ここまで作った文の構成にさらに反論を入れてしまうと、主張が分かりづらくなってしまう場合が多いんですね。
意見の一貫性が大切
文章に深みがなくなるとかそういうことを考えるより前に、もっと大切なのは意見が一貫している分かりやすい文章を書くことです。
そのためには、まずは反論を書かないで小論文を書き上げてみましょう。
②結論を先に決め、それが解答になるような問題提起をする
小論文の問題パターンというのはテーマが与えられるパターンや、文章を読んでそれについての小論文を書くパターンなど様々です。
でもどのような問題パターンだとしても、小論文の基本形は問題提起をし結論を導くという形です。
この問題提起と結論のどちらから考えるかという話なんですが、結論を先に決めた方がまとまりのある小論文を書きやすくなります。
例:学生服は必要かPART2
例えば先ほどの学生服の例に戻りますが、先に「学生服は必要だ」という結論を決めたとします。
そうしたら問題提起は、その結論が解答になるよう「学生服は必要なのだろうか?」という問題提起にすればいいのです。
他にも例えば「学生服は黒が良い」という結論なら問題提起は「学生服は黒でいいのだろうか?」。
「女子の制服はズボンの方がいい」という結論にするなら「女子の制服はズボンがいいのだろうか」という感じですね。
結論を先に考えてそれが解答になるような問題提起をすることで、非常にまとまりのある読みやすい小論文を書くことが出来ます。
問題提起は「イエスノー」で!
それともうひとつ、問題提起をするときのポイントとしては「イエスノーで答えられる問題提起にする」ことですね。
例えば「学生服は黒がいい」という結論に対して「学生服は何色がいいか?」という問題提起にするとします。
そうすると黒がいい理由を何個かあげていったとしても、「そういう理由なら別に紺色でもいいんじゃないの?」と変な突っ込みが入るかもしれません。
でも「学生服は黒でいいのだろうか?」という問題提起なら、黒かいいかどうかという問題になるので、紺色とか変な色の突っ込みが入ることはなくなります。
論点を分かりやすくするためには問題提起はイエスノーで答えられるものにしたほうがいいと覚えておいて下さい。
③自分の意見を結論にしない
ちょっと何言ってるか分かりづらいですよね。
どういうことか説明していきます。
さぁこれから小論文を書き始めようとなったとき、まず何から始めますか?
これは先ほど話した通り、まずは結論から考え始めて欲しいんですね。
例:学生服は必要かPART3
例えば学生服がテーマだとしたら「学生服は必要だ」と「学生服は必要ない」のどちらを結論にするか?
ここで大切なのが、選ぶときにあなたの意見を入れないことなんです。
たとえあなた自身が「学生服は必要ない」という意見を持っていたとしても、それを基準に結論を決めないで欲しいんですね。
それじゃ何を基準に結論を決めればいいのか、根拠・理由が多い方を選ぶべきなんです。
根拠・理由が多い方を結論にすべき
「学生服は必要だ」「学生服は必要ない」それぞれの結論を証明する根拠・理由をあなたが探して、その数が多い方を結論として欲しいんですね。
そうすると根拠・理由が多い方を結論としているわけですから、それだけ小論文に説得力を持たせることが出来ます。
自分の意見が「学生服は必要ない」だとしても、その根拠・理由が薄く少ないものだとしたら、それは結論として説得力を持たせることが難しくなるということなんです。
小論文を書くということは、あなたの意見を聞かれているわけではなくて、あなたが考える結論を読む人に納得させて欲しいということなんですね。
結論が「学生服は必要だ」なら「あぁなるほどね、そりゃ学生服必要だよね」と小論文を読んだ後に思わせる文章を書きましょう。
意見に一貫性があることが大切
まとまりのある小論文とは意見に一貫性がある小論文ということです。
今年はコロナのせいで小論文を郵送で送るという大学が結構多いですね。
でも試験会場で小論文を書く大学も、もちろんあります。
試験会場で小論文を書く場合、時間内に書きあげなければいけないというのがなかなかに高いハードルとなります。
時間制限があるとやっぱり書く文章のクオリティが下がってしまって、意見に一貫性がない文章になりがちなんですね。
もしそのような小論文を書いてしまったら当然試験としては評価は低くなってしまいます。
それを防ぐためのコツが、今回お話した3つのコツになりますので、小論文が苦手な受験生はぜひ実践してみて下さい。
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