今回は高校1年生の皆さんに、2年生での理系と文系の選び方についてお話していきます。
ちなみにてんどーは現在高校生に数学を教えていますが、高校時代は文系でした。一番好きな教科が国語だったからです。
文系に進んだことは、今数学を教えていることに本当に生きていると思うので、結果としては後悔していませんが、後悔があるとしたら、これから皆さんにお伝えすることを高校時代に知らなかったことです。
なお動画でも詳しく解説しておりますので、よろしければご覧下さい。
2年の選択は1年の夏休み後に決める
1年生は夏休みが終わると次年度の文系理系の選択をする必要があります。高校によっては理系・文系の選択というより「数学Bか古典か」など教科の選択になります。どちらを選ぶかは当然将来の進路によって決めるのが一番いいに決まっています。
この時期進路が決まっている高1は、ほとんどいない
でも高校1年生ってまだ高校に入ったばかりなんですよね。この時期に将来のビジョンを明確に持ってる1年生ってあまりいないんですよ。
なかには「将来看護師になりたい」とか「学校の先生になりたい」とか、小さなころからの夢を持っている生徒もいます。そういう子はその夢に合わせて決めていいと思います。
でも例えば「将来税理士になりたいです」とか「将来は企業に入って研究職をしたい」とか、そんなこと言う子は1年生のその時期にはほとんどいません。当たり前ですけど、どんな職業があるのか、その職業はどんなことをして社会に貢献してくのかをまだ知らないんですよね。
進路が決まっていない場合、選ぶべき系統は…
今回の結論から言います。将来の目標が決まっていないのであれば、2年生は絶対に理系に進んだほうがいいです。
理系・文系という分け方ではなく、数学Bと古文のどちらかを選ばなければいけないのであれば、数学Bをお薦めします。その理由をこれから説明していきます。
ただし理系に進むのをお薦めできない子もいます。どういうタイプの子が理系に進まない方がいいのかについても記事の最後の方で具体的にお話します。
また高校によっては2年生で理系文系を分けず、必ず数学Bを学習する高校もあります。その場合は今回の記事を読む必要はありません。数学B、頑張って勉強して下さい。
2年生は理系に進んだ方がいい理由
理由①3年時に文転が可能
2年生で理系に進んでおけば、3年生になるとき基本的にはもう一度文系に進むか理系に進むかを選ぶことができます。いわゆる文転ってやつですね。
2年生で文系に進んだ生徒は3年生も必ず文系でなくてはいけません。将来の目標がまだ決まっていないのであれば、2年生で理系に進めば、あと1年間は将来のことを考える時間ができることになります。
理由②国立大は数ⅡBまで必須
将来、国立大学への進学を希望している生徒さんはたくさんいると思うのですが、国立大学を受験するためには、数学はⅡBまで必須になります。
普通、文系に進むと数Bを勉強しません。そのため国立大学への進学を希望するのであれば、理系つまり2年生で数学Bを勉強することが必須になります。
学校によっては3年生で数学Bを選択できる高校もありますが、正直3年生で数学Bを勉強しても受験にはかなり厳しいので、注意して下さい。数学Bを学ぶのであれば、絶対2年生のうちがいいです。
理由③数学ⅠAが簡単に感じられるようになる
例えば、看護学部などは数学ⅠAまでで受験できる場合が多いです。数学ⅡBが受験にいらないということですね。
それでも私は2年生で数学ⅡBまで勉強することをお薦めします。
なぜならⅡBまで勉強するとⅠAが本当に簡単に感じるようになるからです。ⅠAまでしか勉強していない子とⅡBまで勉強した子がⅠAの受験問題を解くと、ⅡBまで勉強した子の方が圧倒的に良い点数を取ります。
例えば整式の割り算とかあるんですけど、これは数学Ⅰでは勉強しない、数学Ⅱの学習内容なんですね。でも大学受験のⅠAの入試問題にはその割り算を使うと簡単に解けちゃう問題が出たりするんです。
理由④文系でも数学の知識が必要になるかも
将来文系に進んでも、数学の知識が必要になることは多くあります。例えば経済学は一応文系の学部になってはいますが、数学の知識、例えば数学Bで勉強するベクトルの知識などが必要になります。
また2021年度から早稲田の政経学部では数学ⅠAの受験が必須になりましたが、今後、文系であっても特に経済学部は受験において数学が必須になる可能性が高くなります。
そのことを踏まえて、たとえ将来は文系志望でも数学ⅡBまで勉強しておくことで、受験においても大学に入ってからも大きなアドバンテージになる可能性は高いと思います。
理系をお薦めしない生徒は…
以上4つの理由から、将来の目標がまだない生徒は、2年生は理系、具体的に言うと2年で数学Bを勉強することをお薦めします。
が、それでも理系をお薦めできない子もやっぱり存在します。要は将来の目標が決まっていないとしても、正直理系には進まない方がいいよという生徒ですね。具体的に言いますよ。
数学が死ぬほど嫌いな生徒
これはもう文系にいっちゃえと思います。人それぞれ好き嫌いはどうしてもありますからね。
それに今までの経験上、たとえ将来の目標が決まっていないとしても、数学が死ぬほど嫌いなら、数字に関わる学部学科はまず選ばないと思いますので、文系に進んでも問題ないと思います。
文字を含む計算をなんどやっても答えが合わない生徒
要はxとかyとかそのような文字を含む計算が苦手な生徒は、理系は厳しいです。
もう20年以上高校生に数学を教えていますが、文字式の計算さえできれば、数学Ⅱも数学Bも絶対何とかなるんですよ。ただ文字式の計算ができない子は、正直ちょっと厳しいです。
解き方を理解して覚えても、最終的に正しい答えにたどり着けないので。これは勉強していてもつらくなる可能性が高いので、文系に進んだ方がいいんじゃないかなと思います。
文字式の計算が得意か不得意か分からないという1年生は、1年の1学期に学ぶ「連立不等式」の問題がちゃんと出来ているかどうかを確認してみて下さい。ここが学校の授業を受けても分からないなら厳しいと思います。
逆に数学の点数があまりよくなくても文字式の計算さえできるなら、理系にすすんでも大丈夫だと思います。
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