総合型選抜のメリット・デメリット

※本記事はYoutubeの台本をそのまま公開しております。ご了承ください。

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2020年からAO入試が総合型選抜と名前を変えました。高校1・2年生の皆さんの中には、この総合型選抜での大学進学を考え始めた方や、そもそも総合型選抜というものがよく分からないという方はたくさんいらっしゃると思います。

今回の記事をお読みいただければ、総合型選抜とはどのような受験方式か、自分に向いている受験方式なのかが分かるようになります。ぜひ最後までお読み下さい。

なお動画でも詳しく解説しておりますので、よろしければご覧下さい。

【総合型選抜(AO入試)とは】総合型選抜の審査(書類・面接・プレゼンなど)についてや、リアルなメリットとデメリット/高校生専門の塾の講師が総合型選抜について丁寧に解説しました。

総合型選抜のメリット

まず総合型選抜について、高校生にとってのメリットを解説していきます。

出願基準が推薦より甘い

推薦入試を受験する場合、普通は評定平均つまり成績の出願基準がありますが、総合型ではこのような基準は基本的には設けられていません。つまりどんなに高校の成績が低くても受験することができます。

学力以外の要素も評価される

冒頭でお話しした通り、総合型選抜は2019年までAO入試と呼ばれていて、その頃は学力検査を行わずに合否を決定する大学もたくさんありました。しかし、「さすがにそれはまずいよね」ということで、2020年総合型選抜に名称を変えたのと同時に、学力検査を必須とすることになりました。

  1. 大学入学共通テスト
  2. 各大学独自の評価方法(小論文・プレゼンテーション・口頭試問・実技・学科テストなど)

※1か2のどちらかを必ず採用

「なんだよ。学力も評価されるんじゃないか。」と思う方が多いと思いますが、ポイントは学力だけで合否を判断されるわけではないということです。受験生が書くさまざまな書類や面接なども合否の判断材料となります。

一般選抜、いわゆる普通の大学受験ですね、は100%学力のみで合否が決まります。行きたい大学はあるけど、学力的にかなり厳しいという高校生にとって、総合型は逆転が考えられる受験方式といえますよね。

大学によっては総合型の倍率が低い

最近の大学受験は、大学の定員厳格化によって一般選抜の倍率がかなり上がりました。しかも倍率が上がっているのは難関大学というよりもむしろ中堅以下の大学の倍率なんですね。ちょっと前までは倍率が1倍なんて大学も中にはありましたが、今では3倍・4倍は当たり前です。恐ろしいですよね。

ですがそれは一般選抜の話で、総合型選抜や推薦などの入試を年内入試と呼ぶことがあるんですけど、その年内入試では、中堅以下の大学ではまだ倍率は低い場合が多いです。

ときどき大学の職員の方にお会いして大学入試についていろいろお話を伺う機会があるんですが、そのときも「うちの大学を受験するなら絶対年内入試がいいですよ」とお薦めされたことがあります。世間的には中堅以下の大学とみなされていても、自分にとってメリットのある大学・学びたいことがある大学であれば、積極的に総合型選抜での受験にチャレンジすべきだと思います。

合格発表の時期が早い

多くの大学において、総合型選抜は11月に合否の発表が行われます。推薦の場合は12月、一般選抜の場合は、合否が決まるのは2月以降です。

受験が早く終わる一番のメリットは何だと思いますか?

これは私の個人的な意見ですが、一番のメリットはお金です。推薦や総合型で合格した子と一般選抜の子を比べると、はっきり言って50万円から100万円は違います。

ですから総合型や推薦で大学に合格出来たら、これはかなりの親孝行といえると思います。さらにアルバイトも出来るし、車の免許も取りに行けます。

総合型選抜のデメリット

総合型のメリットについてお話してきましたが、ここからは逆にデメリットについてお話していきたいと思います。

準備がものすごく大変

総合型といえば、まず1次審査として書類審査、そのあと2次審査として面接やプレゼン・テストなどを課すという形式の大学が多いと思うのですが、まず最初の書類を書くというのがかなり大変です。

志望理由や将来の展望などをかなり細かく大量に書く必要があります。さらに2次審査にプレゼンなどがある場合は、その準備にもかなりの時間がかかります。

総合型を受験する生徒のほとんどは、一般の勉強と総合型の準備を平行して行うことになりますが、この場合どうしても一般の勉強がおろそかにしがちです。

それで総合型で受かればいいんですけど、万が一落ちてしまったら…。それまで総合型の準備にかけた時間を一般選抜の勉強に回していたら…とか落ち込んでしまい、なかなか一般選抜の勉強に切り替えられない子は本当にたくさんいます。そういう点では総合型は諸刃の剣といえますね。

目標が明確な必要がある

出願するときに提出する書類や面接では、高校時代のことよりも、将来の目標について問われます。将来についてかなり細かく聞かれることが多いので、具体的で説得力がある答えを言えるようにしておかないといけません。

3年生になりました、総合型選抜を受験することにしました。そこから将来の夢を考えました。というのでは、はっきり言って合格は厳しいです。やはり高1・高2の頃から、将来の目標をしっかり持っている生徒が有利になると思います。

入学してから勉強についていくのが大変

これはAO入試ができたころから言われ続けてきたことです。「そんな心配することないよ、大丈夫だよ」って思っている子もいるかもしれませんが、そんなことはありません。大学は高校よりシビアです。テストの点数が足りなくて単位を落とし、留年する子は大勢います。

総合型で合格した子の中には、基礎的な学力が足りない子や勉強の習慣がついていない子がたくさんいます。そういう子は大学に入ってから勉強を本当に頑張らなければいけません。

総合型にすべてをかけてはいけない

総合型選抜は合格のチャンスが増えるという点では、とても魅力的な受験方式です。ただし総合型選抜を受けるのであれば絶対気を付けることがひとつあります。

それは、もし総合型がダメだった時に困らないよう、一般の勉強もきちんと続けること。

むしろ総合型を受験する場合でも、あくまで一般選抜をメインで考えておいて、総合型で受かったらラッキーぐらいの気持ちで受験すべきです。それができないのなら、総合型は受験しない方がいいと思います。

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