1学期の期末テストが終わると何が始まるか、そう、受験生たちの指定校をめぐる仁義なき戦いが始まります。
今まで塾講師として20年以上、この戦いをみてきましたが、想像以上にシビアな戦いだと思っておいた方がいいです。
今回は、この指定校をめぐる戦いに勝利するために、受験生の皆さんがやるべきこと、そしてやらない方がいいことをまとめましたので、解説していこうと思います。
指定校での進学を考えている、そして後悔したくない受験生は、ぜひ最後までお読みいただき、参考にしていただければと思います。
なお動画でも詳しく解説しておりますので、よろしければご覧下さい。
指定校推薦の大まかな流れ
まず初めに1学期期末テストが終わった後の、指定校推薦の流れを簡単にお話していきます。
7月の下旬に3年生の1学期または前期の成績が発表されます。
高校によると思いますが、だいたいそのタイミングで1年生1学期から3年生1学期までの成績の平均を高校が各生徒に教えてくれます。
その数字が、推薦入試で使われるいわゆる評定平均なんですね。
そしてだいたい8月中に、今年度の指定校の一覧が発表されます。
指定校が来ている大学とその出願条件などですね。
もしかすると前年度まで来ていた指定校がなくなっていたり、逆に増えていたり、条件が変更になっている可能性もあります。
しっかり確認するようにして下さい。
9月上旬に指定校の申込みが行われ、9月の中旬に指定校の校内選考の会議、そして指定校での進学者が決定するという流れになっています。
指定校の校内選考は、基本的には評定平均の優劣で決まるので、3年生の1学期の期末試験が終わったら、もうやることはなくなる…というわけではないんです。
ここからは、あの子は評定が何点何らしいよ、とか、あの子はこの大学の指定校を狙っているらしいよ、というような情報戦が始まります。
これから解説していきたいのは、この情報戦において、何をするべきか、そしてしない方がいいのか、というものです。
これを最近の実例もまじえて解説していきたいと思います。
指定校をめぐる戦いですべきこと
①友達とオープンキャンパスに行くな!
指定校をめぐる戦いですべきこと、ひとつめ、友達と一緒にオープンキャンパスに行かないことです。
最近の子は1人でオープンキャンパスに行く子ってかなり少なくなってきています。
友達と行くか、または保護者の方と行くか、そういう子が多いですね。
一人で行くのは寂しいから、その大学に興味がない子を強引に誘っていくような子も結構います。
ただですね、これは何気にリスクが高いんですよ。
オープンキャンパスっていうのは大学からしたら宣伝の場ですからね。
もともとその大学に興味がなかった子でもオープンキャンパスに連れられて行って、その大学を気に入ってしまうっていうことは普通にあり得ます。
しかもその子が自分より成績が高かったりしたら、もうヤバいですよね。
ですから行きたい学部学科が完全に確定している子、または自分より成績が低い子と一緒に行くのはいいと思いますが、自分のライバルになる可能性がある子をオープンキャンパスに連れて行くのは、もう自殺行為だと考えて下さい。
同じ理屈で、自分が指定校で行きたいと考えている大学を友達の前であまり褒めない方がいいです。
指定校で大切なことは2つあって、ひとつは評定平均を上げること、もうひとつはライバルを減らすことなんです。
自分がいきたい大学のいい所を友達に話して、その子がその大学に興味を持ってしまったらライバルを増やすことにつながります。
ですからあまり大学の情報を友達に教えないこと。
自分で集めた情報は自分の中だけにとどめておき、無駄にライバルを増やさないようにしましょう。
②自分の成績を他人に話すな!
指定校をめぐる戦いですべきこと、ふたつめ、自分の成績を他人に言わないことです。
これは皆さん「分かっているよ!」と思われるかもしれませんが、本当に細心の注意を払って下さい。
たとえ自分とは違う大学や学部を狙っている子だったとしても、成績を言ってはいけません。
自分と同じ大学を狙っている子が、その子に頼んで聞き出してもらうということもありえますからね。
それに誰かに成績をぽろっと言ってしまったことで、それがクラス中に出回ってしまったなんてことも聞いたことがあります。
何があるか分からないので、たとえ親しい子であったとしてもできる限り成績は言わない方がいいと思います。
ただ、どうしてもある生徒の成績が知りたいということもあると思います。
これは前にあったうちの塾の実例なんですが、うちの塾の子は評定平均が4.5あって明治大学の指定校を考えていました。
ただある日同じ明治大学の指定校を狙っている友達に成績を聞かれたので、お互いの成績表を見せ合うことにしたそうです。
その結果、その友達は4.6あったので、うちの塾の子は明治大学を諦めて青山学院大学の指定校をとりました。
このようにお互いの成績を見せ合うことが、一番確実だと思います。
いないとは思いますが、成績を口で言うだけだと嘘をつかれる可能性もゼロではありませんからね。
あとみなさん、嘘をつくのも絶対やめましょうね。
自分の人生のためには仕方ないと思う方もいるかもしれませんが、嘘をつかれる相手にも人生があります。
嘘で相手の人生を変えてしまう重みをよーく考えて下さいね。
③受験勉強を必ずすること
指定校をめぐる戦いですべきこと、みっつめ、受験勉強を必ずすることです。
指定校を考えている受験生は、1学期の期末テストの勉強に全身全霊を傾けていたと思います。
その期末テストが終わったら次に何をすべきか、受験勉強にきまっています。
指定校希望者には、肝に銘じておいて欲しいことが2つあるんですね。
指定校は取れるかどうか分からない。
ひとつは指定校を取れる確率は100%ではないということですね。
指定校が取れない場合に備えておかなければいけません。
もし指定校がダメだったら、公募推薦、それでもダメだったら一般選抜ということになると思うんですけど、指定校がダメでそこから受験勉強を始めても、大学のレベルにもよりますが、はっきり言って間に合いません。
普通の受験生なら、夏までには基本をすべて終えて、9月から実践的な演習に入っていきますからね。
少なくともこの夏休みは、一般組と同じテンションでがっつり受験勉強すること。
逆にそうしないと、指定校を取れなかったらどうしようという不安が、どんどんたまっていって、本当に苦しくなっちゃうと思います。
今は推薦でも学力検査が必須!
そして受験勉強をするべき理由のもうひとつが、2021年度入試、つまり去年の入試から、推薦入試でも学力検査が必須になったことです。
一昨年までは、指定校の場合、試験が面接のみとか、書類を提出するのみということが珍しくなかったんですが、去年からは必ず学力検査が課されることになりました。
大学受験改革の一環ですね。
学力検査にもいろいろなパターンがあって、小論文だったり課題提出だったり、ただ一番多かったのは口頭試問だったと思います。
去年から学力検査が必須になったことで、学力検査があまりに悪かったら指定校でも落とされるんじゃないかという噂が広まったんですけど、そんなことはありませんでしたね。
結局指定校で落ちた子というのはほぼいなかったようです。
ただ、私は今年から学力検査であまりに悪い子は落ちる可能性があるとみています。
ですから、この夏、なにも勉強しないでいると、せっかく指定校の校内選考で通っても、本番の試験で落とされる可能性は十分にあります。
だから、1学期の期末テストが終わったら、早急に受験勉強にシフトするようにしたほうが絶対に良いと思います。
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