このコロナ禍で、グループディスカッション(集団討論)を試験として行う大学は、かなり減っていると思います。
しかし個人的には、このコロナが終わったら今後増えていく受験方式だと思っています。
グループディスカッションについては、どのようにふるまえば大学側から高い評価をうけるのかという点において、けっこう勘違いしている人が多いですね。
今回はグループディスカッションの一般的な流れ、ふるまい方、事前にしておくべき対策などについて詳しく解説していきます。
なお動画でも解説しておりますので、よろしければご覧下さい。
グループディスカッションの一般的な流れ
初めにグループディスカッションの一般的な流れについてお話していこうと思います。
まず受験生を数名のグループに分けます。
そのあと、面接官からディスカッションをするテーマが発表され、進め方の説明があります。
次にこれは大学によると思いますが、グループの中での役割を決めます。
議長とかタイムキーパーとかですね。ただ大学によってはあえてここで役割を決めさせないという場合もあります。
そしてディスカッションの開始というのが、一般的なグループディスカッションの流れとなっています。
多少の違いはあるかもしれませんが、ほとんどの大学はこの流れだと思います。
理想的なふるまい方とは?
それでは次にグループディスカッションでのふるまい方についてお話していきたいと思います。
実践して欲しいふるまい方は、みっつあります。
1. グループ全員で合格しようという姿勢
討論をするグループは全員受験生ですから、当然ライバルなんですが、でもよいディスカッションをするためには互いを尊重する気持ちが一番大切になります。
ときどきですね、グループディスカッションは目立つことが大事、目立ちたいから議長になる、目立つために他の受験生よりとにかく発言をしまくるという受験生がいるんですが、これは大いなる勘違いですね。
自分一人だけが目立とうとしてしまうと、それはグループディスカッションとしては成立しなくなってしまうか、少なくとも良い議論の場にはなりません。
良い議論とはどのようなものか?
良い議論というのは、グループ全員が意見を交わし、他の人の様々な考えを取り入れた上で、テーマについての知識・理解を全員で深めていくというものです。
ですから自分だけが目立とうという姿勢ではなく、他の人の意見を引き出したり、その意見を取り入れた提案をしたりと、あくまでグループとしてよい議論が出来るようにふるまうこと、そこが大学側が高評価をつけるポイントだと思います。
もしグループが決まってディスカッションが始まるまで少し自由に話す時間があるのなら、「このグループのみんなで合格しようね」とみんなに話しかけたりして、みんなが意見を言いやすい雰囲気を作っておくのもいいと思います。
グループの人たちはライバルではない、あくまで共に戦う仲間であると考えて下さい。
2. 人の意見を否定しない
議論をするということは、自分とは異なる考え方をする人が必ず出てきます。
ここも勘違いが多い所なんですけど、議論や討論というのを相手の意見を言い負かすことだと考えている人が非常に多いんですね。
意見を戦わせて、敵の意見に勝つ、論破することが議論だと。
ぜんぜん違いますからね。
先ほども言いましたが良い議論というのは、全員が意見を交わし、他の人の考えを取り入れた上で、テーマについての知識・理解を全員で深めていくというものです。
もし論破して言い負かしたら、その言い負かされた人はおそらくもう意見は言い辛くなると思います。
そうするとやはり議論としては良くないものとなり、そのグループ全員があまり良くない評価になるかもしれません。
異なる意見を自分の意見に取り入れよう
自分と違う意見の人がいることを、むしろありがたいと考えましょう。
そもそも意見が違う人がいないと議論になりませんしね。
自分と異なる意見を受け入れて、さらに良い意見を出せるような柔軟な姿勢を忘れないようにして下さい。
3. 無理に議長になる必要はない
冒頭でお話しましたが大学によっては受験生をグループに分けたときに議長などの役割を決めさせる場合があります。
役割を決めない場合でも、議論の進行役のような人というのはグループの中で自然と決まってくると思うんですね。
そこで無理に議長になる必要はないということです。
議長になれば目立つ、評価が高いと考えている人は多いと思うんですが、それはあくまで上手な進行が出来た場合の話です。
このような役割は得意な人と苦手な人がはっきり分かれてくると思いますが、苦手だなと思う人は議長をやらない方が無難です。
議長ではない発言する側で、きちんと意見を言い、議論を円滑に回すサポートをすることで十分に高い評価は得られます。
議長になる練習はしておこう
ただですね、もし事前にグループディスカッションの練習をする機会があったら、そのときには議長としての立場も必ず体験しておいた方がいいと思います。
もし本番で議長になりたがる人がグループの中で一人もいないときには、立候補することで積極性をアピールすることが出来ると思います。
面接とグループディスカッションの違い
面接とグループディスカッションとの一番の違いは、面接は受験生と面接官との対話ですが、グループディスカッションは受験生同士のコミュニケーションによるものであるということですね。
お互いが議論を円滑に進めよう、良い議論をしようという意思があれば問題ないんですが、中にはやっぱり自分だけ目立ちたいという暴走系の受験生もいるかもしれません。
でもですね、そういう子であっても否定をせず上手く議論の中に取り込んでいくことが大切です。
例えばその暴走系の受験生の意見を聞いた上で、「なるほど、あなたの意見は分かりました。とてもいい意見ですね。そのあなたの意見について他の人がどう思っているのか聞いてみたいです」というように他の人に話を振れば、逆にその暴走系の受験生をきっかけとして、活発な議論が行われるようになるかもしれません。
たとえ議長でないとしても、円滑で良い議論が行われるような心遣いをするようにして下さい。
事前にしておく準備
次に、グループディスカッションの事前にしておく準備について解説していきたいと思います。
1. 受験する学部学科についての知識を増やす
グループディスカッションは出題されるテーマについて議論するんですが、そのテーマはやはりその学部学科に関するテーマであることが普通です。
そのテーマについての知識があるとないとでは、あなたの意見の説得力がまるで違ってきます。
例えば医療系の学部を受験します、テーマは「インフォームドコンセント」です、となったとき、まず「インフォームドコンセント」とは何かを知らないと、議論に参加することさえ無理ですよね。
実際はインフォームドコンセントに関する説明などがディスカッションの前にあるかもしれませんが、それでも事前にインフォームドコンセプトの意味や運用の仕方などを知っていたか知らなかったかで、議論におけるあなたの意見の深さがかなり違うと思います。
2. 社会問題についての情報を増やす
テーマについて意見を述べるとき、知識や情報がないとどうしてもあなた自身の体験による意見になりがちです。
ちょっと極端な例かもしれませんが例えば「高校でのオンライン授業」というテーマだとしたら、あまり社会問題などに関心がない受験生なら「オンラインでの授業は退屈だが高校に通う時間が節約できて効率的だ」という意見を言うかもしれません。
それもひとつの意見ではありますが、でもこの場で求められているのは、例えば「経済的にwifiを導入するのが困難な家庭はどうするか」というような、自分の体験からだけではなく、もっと社会的な問題を扱った議論だと考えた方がいいと思います。
ネットを見たり本を読んだりでもいいですし、ニュース、新聞を見るのでも構いません。社会に目を向けて知識・情報を増やしていって欲しいと思います。
積極性ももちろん忘れずに
最後に、グループディスカッションにおいては積極的に意見を言うことはもちろん大切です。
議論の場を壊さないように、周りの意見も取り入れながら、それでも自分の意見をはっきりということを意識して、グループディスカッションに臨んで欲しいと思います。
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