今回は、偏差値50以下の高校から日東駒専以上の大学に合格する方法というのを、お話させていただきたいと思います。
実際私たちの塾にも、全国偏差値50以下の高校から日東駒専以上の大学に合格した子というのは、少なからずいらっしゃいます。その子たちが、どのようにして日東駒専以上の大学に合格できたのか、指導者として近くで見てきたからこそわかることを今回お伝えできたらと思います。
なお動画でも詳しく解説しておりますので、よろしければご覧下さい。
結論:一般選抜なら無理ゲー
偏差値50以下の高校から、一般選抜で日東駒専以上の大学に合格するのはほぼ無理ゲーです。
100%無理というわけではありませんが、偏差値が45~50ぐらいの高校で日東駒専に合格できる可能性はリアルに1~2%ぐらいの確率だとお考え下さい。
学年の生徒が250人いるとしたら、現役の一般選抜で日東駒専以上の大学に受かるのは2~3人ぐらいです。偏差値が45より下がれば、学年に一人いるかいないかというレベルになってきます。
保護者の方々のよくある認識とは
この記事を書こうと思ったのは、偏差値50以下の高校の子が大学受験のことをかなり甘く考えているからっていうのもあるんですけど、何よりその保護者の方々が高校のレベルと大学のレベルの違いを認識していないように感じたからです。
例えば私たちの塾がある地区だと、高校が5校あって、その中の3番手の高校がもう偏差値50を切ってています。でも地区に5校あるうちの3番目なので、地区のレベル的には真ん中の高校なんですよね。
これを全国の真ん中と考える保護者の方がかなり多くて、それなら、日東駒専も狙えるんじゃないと思ってしまうようです。
確かに大学のレベル的には日東駒専って全国のちょうど真ん中ぐらいという認識の方が多いですからね。でも高校の地域のランクと大学の全国のランクを同様に見てはいけません。偏差値50以下の高校から日東駒専に一般選抜で入るのは、本当に難しいと今回の記事を通じて分かっていただきたいんですね。
一般選抜が無理ゲーな理由
それではなぜ偏差値50以下の高校から日東駒専に一般選抜で合格するのがほぼ無理ゲーなのか、これは3つあります。
理由①副教材のレベルが低い
ひとつめの理由は、高校で使っている副教材のレベルがとても低いためです。教科書もそれなりに差は出ますが、副教材はよりはっきりとレベルの違いが出ますね。
偏差値50以下の高校の副教材は教科書と同レベルの問題がたくさん載っています。基礎を身につけるという点ではとてもいいんですけど、日東駒専以上の大学受験に通用する力は身につくかと言えば、はっきり言って無理ですね。
高1・2の頃からある程度難しい問題に対する慣れというのが出来ていないと、高3になってからそのような問題に初めて触れるのでは、やはり厳しいです。
理由②カリキュラムが一般選抜に対応していない
ふたつめの理由は、高校のカリキュラムが一般選抜に対応できていないことです。
ある程度の公立の進学校なら高3の夏か遅くても10月までには入試の範囲を終わらせて、受験レベルの演習を行います。早い所は2年生の終わりまでに全範囲を終わらせる高校もあります。
それに対して偏差値が低めの高校だと、高3の1月になってもまだ入試の範囲が終わっていない高校もありますし、そもそも高1・高2の時点で学ぶべきところを省略して勉強していない場合もよくあります。これでは、やっぱり一般選抜は厳しいですよね。
理由③クラスに一般選抜は5人ほどしかいない
みっつめの理由は、クラスの雰囲気、特に受験学年における雰囲気です。
偏差値50以下の高校の場合、3年生の1クラスの中に一般選抜をする子は何人ぐらいいると思いますか。1クラス40人として、だいたい5人ぐらいですね。10人いるということは、なかなかないと思います。
つまりクラスのほとんどの子は、推薦か総合型選抜で進学を決めている子なんですね。そういう子たちは切羽詰まって勉強する必要はありませんから、クラス全体の雰囲気が勉強に向いていない、ゆるゆるな雰囲気になるのは当然です。やはり一般選抜を受ける子にとってはかなり不利な環境だと言えます。
学力の問題ではなく環境の問題
ここまでお話してきた一般選抜が無理ゲーな理由というのは、その子自身の学力の話ではないんですね。偏差値50以下の高校でも、実は学力が高い子というのは案外います。
でも高校で扱う教材のレベルが低かったり、カリキュラムが大学受験に対応できていなかったり、クラスの雰囲気が勉強する雰囲気じゃなかったりするために、たとえ高い学力を持っていたとしても日東駒専以上の大学に一般選抜で合格する学力を高校3年間で身につけるのはかなり難しいということなんです。
ただこれはけっして高校が悪いというわけではなく、入学してきた生徒のレベルに合わせた指導をあくまで行っていると思うので、仕方がないことなのかなと思います。
日東駒専以上の大学に合格する方法
それでは、偏差値50以下の高校から、どうすれば日東駒専以上の大学に入学することが出来るのか。方法は3つあります。
方法①総合型選抜で合格すること
総合型選抜というのは、その名の通り、受験生を総合的に判断します。学力だけで合否が決まるわけではないので、偏差値50以下の高校から日東駒専以上の大学に入学するには、とても有効な受験方式です。
方法②推薦入試で合格すること
推薦入試には指定校推薦と公募推薦の大きく2種類あります。指定校推薦で日東駒専以上の大学を取るのであれば、評定平均が4.5ぐらい必要になるとお考え下さい。
「4.5は厳しい」と思う方たくさんいると思いますが、偏差値50以下の高校であれば、定期テストはそこまで難しくないですし、周りの生徒もそんなには勉強していません。テスト前はもちろん、周りに流されずに普段もしっかり勉強すれば、十分狙えると思います。
また公募推薦についてですが、はっきり言ってかなりねらい目です。
特に日東駒専は公募推薦の倍率が実はすごく低いので、評定平均4.5はなくても4.2ぐらいあるのであれば、公募で日東駒専を狙うのもありだと思います。
方法③一般選抜で合格すること
「それは無理ゲーって言ったじゃないか」と思いますよね。普通なら無理ゲーです。ただ高校1年生から一般選抜の準備を始めていたなら、十分可能です。
高校の勉強とは別に予備校や塾で一般選抜に向けた勉強を、高校1年生から続けていたら日東駒専以上に合格する可能性は十分あります。ただ、高1から一般選抜の勉強をするというのは、モチベーション的にけっこう厳しいというのはあります。目的意識を本当にしっかり持った子じゃないと、難しいでしょうね。
また偏差値50以下の高校からでも高3から勉強を始めて日東駒専以上の大学に合格する子も中にはいます。こういう子が要は先ほど話した学年の中の1~2%の人間なんですね。
もっとも現実的な方法は…
偏差値50以下の高校から日東駒専以上の大学に合格する方法を3つ紹介しましたが、実際うちの塾からは、推薦で合格した子がほとんどです。もし今年入学したばかりの高校1年生なら、推薦での合格を狙うのがもっとも現実的な方法だと思います。
また今年3年生の生徒で、評定平均が4.0はない、けれど日東駒専以上でどうしてもいきたい大学があるというなら、総合型での受験を考えてみるべきではないでしょうか。
大切なのは、自分の立たされている立ち位置、つまり現実を完全に把握して、それをまるっと受け入れて、その上で目標意識を高く持って行動していくことだと思います。
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