2021年度入試 理系大学(四工大+東京理科大)の志願者数を分析

※本記事はYoutubeの台本をそのまま公開しております。ご了承ください。

この記事は約6分で読めます。

今回お話するのはこちらの5校ですね。

  • 工学院大学
  • 東京都市大学
  • 芝浦工業大学
  • 東京電機大学
  • 東京理科大学

なお動画でも詳しく解説しておりますので、よろしければご覧下さい。

【2021大学入試結果】四工大・東京理科大の志願者数と人気の入試方式は?/2021年度一般選抜における、理系大学の人気はどうだった?/工学院大学・東京都市大学・芝浦工業大学・東京電機大学・東京理科大学

2021年度入試、理系大学はどうだったか

2021年度入試は全体的に志願者の数が10%ほど減っているんですが、理系がメインの大学の方が文系メインの大学より、志願者の減少幅が小さい印象です。

コロナの影響はあまりうけていないのではないかと思います。むしろ浪人生の減少などの大学受験改革の方が理系の大学には影響が大きかったかもしれません。

なお志願者が減った理由なども考察していきますが、あくまでてんどー個人の主観と想像が入り混じったものになります。その点についてはあらかじめご了承下さい。

四工大+東京理科大学 志願者数比較

工学院大学

志願者数の前年比は87.1%で、実は四工大の中では、前年比が最も低い大学です。それでも日本の大学全体で10%も志願者数が減っていることを考えると、それほど減っているようには思えません。

学部別にみると、だいたいの学部が志願者を10~15%ほど減らしているんですけど、情報学部だけ志願者が増えています。2021年度入試はとにかく情報系が大人気でしたからね。この人気はしばらく続くと思います。

次に入試方式別で見ると、英語外部試験利用入試が、志願者数を増やしています。この傾向は工学院大学だけではなくて、今日解説するすべての大学で、2021年度は英語の外部試験利用入試の志願者数が増えています。

英語外部試験利用入試の志願者が増えている理由

2021年度入試から、センター試験が共通テストに変更することが決まり、そのときの目玉が2つありました。ひとつは記述式問題の導入、もうひとつは外部英語試験の利用でした。

これはかなり前から予告されていたので、2021年度入試を受ける子たちは、英検やTEAPなどの英語検定を皆受けていたと思います。このために2021年度の受験生は例年以上に英検やTEAPの点数を持っている子が多かったのではないでしょうか。

ところが共通テストに変わる前年の11月に、外部英語検定の利用の延期が決まってしまい、結局共通テストでは、外部の英語検定を使うことはできなくなりました。

でもですね、私立大学の入試では何年か前から、英検やTEAPの結果を利用するタイプの入試が増えていたんですね。それで特に理系の子たちにとっては、英語が苦手な子が多いでしょうから、このタイプの入試が魅力的に映り、志願者数増につながったと思います。

話はそれますけど、共通テストでは記述式の問題も結局導入されませんでした。さんざん振り回された2021年度入試の受験生たちは本当に可哀そうだったと思います。

一部の学部で2021年度入試の数学は選択制

工学院大学についてもうひとつ。2021年度入試において、一部の学部・学科で数学の入試範囲を数Ⅲまでの問題と数ⅡBまでの問題のどちらかを選択できるようにしていました。去年の休校措置に対応しての形ですが、これによって志願者数が大きく変わるということはなかったんじゃないかなと思います。

東京都市大学

志願者数の前年比は88.8%。ここもそこまで下がっているわけではありませんね。それどころか、前期入試、要はメインの入試方式では志願者数を前年より増やしています。

それではどこで志願者が減ったのか、共通テスト利用入試ですね。

共通テスト利用入試で科目が変更

2020年度入試までは、数学が必修であとは国語と社会と理科と英語の中から2科目を選択して受験することが出来たんですね。つまり数学と国語と社会で受験することも可能だったんです。

これが2021年度入試から、理工学部と建築デザイン学部では、数学と理科が必修で、国語と社会と英語の中から1科目選択という形に変更になりました。これで受験する層がぐっと狭まったのではないでしょうか。

芝浦工業大学

志願者数の前年比は93.1%。志願者が大きく減った学部や入試方式はありませんでした。

逆に増えたのは、先ほどお話した英語資格・検定利用試験ですね。それと共通テスト利用入試の後期日程の方も志願者がわずかながら増えていました。

東京電機大学

四工大の最後ですね。志願者の前年比は100.0%でした。2020年度より13人だけ増えていたのかな。前年比を計算すると100.04%で、小数第2位を四捨五入すると、ちょうど100.0%になりました。

ここもほとんどの学部・入試方式で志願者を減らしていません。またやはり英語外部試験利用入試で志願者を増やしていましたね。

東京理科大学

志願者の前年比は87.5%。これも大きく志願者を減らしたとは言えない数字ですね。

ただ、経営学部の共通テスト利用入試のA方式については志願者数が前年度の51.5%で、約500人ほど志願者を減らしています。これは東京都市大学と同様、受験科目が変わったからだと思います。

共通テスト利用入試で科目が変更

2020年度までは英語が必修、数学・国語・理科・社会から2科目選択という形だったんですが、2021年度からは英語・数学・国語が必修で理科・社会から1科目選択という形になりました。

教科数が3から4に増え、さらに数学が必修になったため、文系の生徒が受験するのは厳しくなってしまったのだと思います。

基礎工学部⇒先進工学部に改称&キャンパス変更

また2021年から基礎工学部が先進工学部と名前を変えました。しかも名前を変えただけではなく、キャンパスも変わり、それに伴い志願者も増えています。

基礎工学部の頃は1年次は北海道の長万部キャンパスで2年生から東京の葛飾キャンパスだったのが、先進工学部になった今年からは4年間葛飾キャンパスになります。これは大きいですよね。志願者が増えるのも当然だと思います。

理系大学の今後と受験のトレンド

ここまで解説してきた5つの大学は、理系でさらに実学系の5校ですから、人気についてはやはり安定感はありますよね。コロナによる経済不安のため、今後もこの5校は人気になると思います。

また2021年度入試においてこの5校に共通していたことは、情報系の学部学科が人気だったこと、それと外部英語試験を利用した入試の志願者が増えたことだと思います。

外部英語試験については、理系に限った話ではなく、私立大学全体で今後定員を拡大していく可能性は十分にあります。この動画を見ている高校生の方は、英検やTEAPなどを定期的に受けておいた方が、大学受験では有利に働くのではないでしょうか。

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