こんにちは。てんちゃんねるのてんどーです。この動画を撮影しているのは7月9日。
今回はですね、てんどーが働いている塾「教学舎」の保護者の方からリクエストをいただきまして、定員厳格化緩和についててんどーの考えをお聞きしたいとのことなんですね。
この定員厳格化緩和がニュースになったのはちょっと前の話なんですが、ちょうど私も動画にまとめたいと思っておりましたので、リクエストにお応えしようと思います。
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まずは、定員厳格化緩和についての読売新聞の記事の冒頭の一部分を読ませていただきます。2022年6月6日の記事になります。
「文部科学省は、学生の都市部への集中を避けるために厳格化していた私立大の入学定員の基準を、来春入試から緩和する方向で変更する方針を決めた。近年、入試の追加合格が増え、受験生が入学金の「二重払い」を余儀なくされるケースが目立っていた。文科省は、入学者数に関する大学の裁量を広げ、追加合格の減少を目指す。」
というのが冒頭の記事で、それじゃ具体的にどのように緩和されるのかというのが、次の部分ですね。
「文科省は2016~18年度、大都市圏の有名私大に若者が過度に集中するのを避けようと、段階的に入学定員の基準を厳格化。入学者が定員の1・1~1・3倍以上になると、補助金を全額カットすることとした。
文科省は23年春入試から、この基準について、毎年の入学定員でなく、全学年の総定員で判断するよう運用を変更する。これにより、ある年に入学者が入学定員を大幅にオーバーしても、翌年以降に入学者を減らせば、基準をクリアできる。
一時的に入学者が増えても、複数年にわたり計画的に入学者を増減できるようになり、大学の裁量が広がる。」
とのことです。つまり定員が100人の大学があるとして、1.1倍が定員の上限だとしたら今までは毎年110人までしか入学させることが出来ませんでした。
それが次の入試からは全学年の総定員つまり大学1年生から4年生までの合計が440人以内に収まっていたら基準をクリアできるということだと思います。
ただしこの記事以降の追加の情報というのはまだ出ていなくて、「方針を決めた」とは書かれていますが、今後どのような形になるか具体的にはまだ分からないんですね。
ですから今回お話するのは、あくまで2022年7月9日時点で発表されている情報に対するてんどーの考えになりますので、その点についてはご了承下さい。
それではさっそくいきましょう。この定員厳格化緩和によって大学受験が今後どのように変化していくのか。これはですね、現段階ではてんどー的には2つの大きな変化があると思います。
まずひとつめの変化、ひとつめはですね、正規合格者が増えて追加合格が減ることですね。文部科学省の狙い通り追加合格は減ると思います。
そもそもなぜ近年の大学入試で追加合格がこんなに増えてしまったのかという話なんですけど、厳格化以前は例えば定員が100人だったら大学は合格者を400人とかかなり多めに出していたんです。数字に関してはあくまで例ですからね。
でもこの400人合格者を出したからと言ってその全員が入学するわけではなく、当然もっと上位の大学に合格している人は入学しません。
ですから400人ぐらい合格者を出せば100人から150人ぐらいは入学するだろうという計算で厳格化以前、大学は合格者を出していたんです。
でも定員厳格化以降は定員が100人なら定員の1.1倍以上つまり110人以上合格者を出すと国から補助金がもらえなくなるというルールになってしまいました。そうするとどうなったか。
もう400人も合格者を出すことが出来なくなってしまったんですね。400人合格者を出して110人以上入学者がいたら補助金をもらえなくなってしまいますから、大学としてはそれは何としても避けなければいけません。
ですから合格者を200人ぐらいに抑えて入学者が110人を超えないように調整するしかないんです。
でもそうすると今度は入学者が100人に届かなくなるかもしれないんです。50人ぐらいしか入学者が集まらないとかそういう可能性もあるんですね。
しかし大学側としたらそれもNGなわけです。100人の入学者がいるという前提で授業料を計算していますから経営的に厳しくなってしまうわけですね。
それで定員に足りない分を追加合格者で補うようになったんです。これが定員厳格化以降、追加合格者が増えたメカニズムなんですね。
ちょっと長くなりましたがそれじゃ定員厳格化が緩和されたらどうなるか。
記事によると毎年の入学定員でなく、全学年の総定員で判断するようになると。これによって例えば今年多めに入学者を出してしまったら次年度の入学定員を減らせば基準をクリアできるようになります。
つまり、例に戻りますが、定員100人のところで400人の合格者を大学は出せるようになったということです。もし400人中150人が入学してしまってもその50人分を次年度の定員から減らせばいいわけですからね。
ですからあくまで今の時点、6月6日の報道の時点での予想になるんですが、今年に関しては正規合格者は増えるだろうと、そして追加合格は減ると思います。
今年の受験生からしたらこれはかなりのグッドニュースだと思いますよ。
追加合格に振り回されるご家庭が減るということですからね。無駄な入学金を支払うご家庭が少なくなると思います。
ですがもしかしたら来年の受験生にとってはこの定員厳格化緩和はバッドニュースになるかもしれません。なぜバッドニュースなのか、これから話していこうと思います。
続きまして定員厳格化緩和によるふたつめの変化、ふたつめは大学の定員が毎年変更される可能性があるということです。
ここまでの説明でお分かりだと思いますが、全学年の総定員が基準となりますので、多く入学者を取った次の年は入学者の数を減らさなければいけません。
つまり年によって定員に増減が出るということになります。第一志望の大学が自分の受験の年に定員が増えていたら万々歳なんですけど、逆に定員が減っている可能性もあるわけなんですね。
特に今年の受験生に関してはおそらく定員が減るということはないんですけど、来年の受験生はこのルールがそのまま適用されるなら多くの大学学部で定員が減る可能性は十分にあると思います。
これが先ほど話した来年の受験生にとってはバッドニュースになるかもしれないということなんですね。
しかも来年は大学入試が変わる年の前年になります。浪人を避けようとする受験生が多くなるはずで、これでさらに大学の定員も減らされたらパニックになるかもしれませんね。
あと大学側の視点からこの定員厳格化緩和を考えると、大学を中退した子の人数を次の入試の定員に加えることが出来るようになると思います。
大きな大学なら中退する子も結構いるはずですので、その欠員分を次の入学者で補うことが出来るというのは大学側にとっては大きなメリットなのかなと思います。
何度も言いますけども、今回話したてんどーの予測は6月6日の記事を元にしたものになります。
今後どのような報道が出るかによって、また予測は変わるかもしれません。その都度動画で考えをお話させていただきます。
今回の動画は以上になります。少しでも役に立ったという方はグッドボタンをそしてチャンネル登録をお願いします。それではまた別の動画でお会いしましょう。さようなら。
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