近年は指定校での大学進学を希望する高校生がどんどん増えています。しかし多くの高校生の皆さんは、指定校推薦のデメリットについてあまり考えていないのではないでしょうか。
指定校推薦にだってデメリットはあります。推薦を希望する高校生の皆さんには、そのデメリットについて詳しく知っていただき、その上で指定校を利用した大学進学について、じっくり考えて欲しいと思います。
なお動画でも詳しく解説しておりますので、よろしければご覧下さい。
指定校のデメリットは7つ
- 指定校枠の中からしか大学を選べない
- 友人関係が破綻する可能性がある
- 校内選考で決まったら基本断ることが出来ない
- 一般選抜の子に批判されがち
- 勉強のモチベーションが下がる
- 大学を留年したり中退すると高校に迷惑がかかる
- 就活に影響が出る可能性がある
時系列的には、こんな感じになると思います。それではひとつづつ解説していきます。
指定校枠の中からしか大学を選べない
てんどーはシンプルにこれが一番のデメリットかなと思います。
自分が本当に行きたいと思っていた大学が指定校にない場合、他の大学で妥協するか、公募推薦など別の受験方式で受験するかのどちらかを選ぶしかありません。逆に指定校で自分が希望していた大学があったら超ラッキーですよね。
ただ1・2年生の頃から指定校推薦を狙っている子は、早いうちからその高校の指定校枠の中から大学の候補を考えておいて、オープンキャンパスなどに行って説明を聞いてその候補の大学をさらに絞っていくという感じで決めています。とても現実的な方法だと思います。
友人関係が破綻する可能性がある
これはですね、本当にありますね。破綻っていうとちょっと言い過ぎかもしれませんが、友達とちょっと微妙な感じになっちゃうなんてことは、指定校では本当によくあることです。
実際に教学舎の生徒にあった話なんですけど、自分が受けたいと思っていた指定校、仮にA大学にしましょうか、そこを友達も受けたいと。それで友達に「お願いだから他の指定校を受けてくれないか」と頼まれちゃったらしいんですね。このお願いした友だちはA大学の指定校に出せる成績しかないんだけど、教学舎の生徒は結構成績を持っていて、A大学よりもレベルが高い大学の指定校を取ろうと思えば取れるよと。でも教学舎の生徒はオープンキャンパスに参加して、A大学が指定校の中では一番行きたいなと考えたんですよね。もしあなたがこの教学舎の生徒だとしたらどうしますか?
当然正解なんてありません。もしこのようなシチュエーションになったら、あなたとその友人との関係、そしてあなたのその大学へ進学したいという思いの強さを天秤にかけることになると思います。その教学舎の生徒もすごく悩んでいましたが、最終的には自分が行きたい大学の指定校を取っていました。いやぁ、おっかないですね。でもこういうこと、本当に結構ありますからね。
校内選考で決まったら基本断ることが出来ない
先に指定校推薦の流れを簡単に説明しますけど、まず9月、校内選考があります。高校に指定校の申し込みをして、その指定校を取れるか取れないかを高校内で選考するんですね。ここで指定校が取れたら、今度は10月に大学へ出願、11月に試験、12月に合格発表というのが大まかな流れです。
9月の校内選考、ここで指定校が取れたら基本的にもう断ることが出来ません。ですから指定校を申し込むときは、本当によく考えて申し込む必要があります。教学舎の周りの高校では、指定校の申込みで第一志望と第二志望の2校申し込むことが出来る高校が多いんですけど、第二志望に書く学校はやっぱりみんな悩みますね。
個人的には、取れても行きたくない学校なら、絶対書かない方がいいとは思います。たとえ指定校での進学が出来なくなったとしてもです。
一般選抜の子に批判されがち
もうこれはデメリットというかあるあるですかね。Youtubeのコメント欄で「指定校は○○(汚い言葉)」みたいに頭ごなしに否定してくる方もいますし、あと多いのが「一般受験を経験した方がいい」というご意見ですね。
私も一般受験をした人間なので、確かに一般受験は経験として非常に有益なものだったと思います。でもですね、高校1年生の頃から指定校を目標にして毎回の定期試験でむちゃくちゃ頑張って、それでちゃんと成績を取って指定校で進学することも一般受験に負けないぐらいの非常に大きな達成経験だと思いますよ。
一般受験と指定校推薦を両方とも経験した人ってまぁ普通はいないので、どちらが良いとかどちらが悪いとかは一概に比べることはできないと思います。
勉強のモチベーションが下がる
これもよく指定校のデメリットとしてあげられることが多いんですけど、自分であげといてなんですが、これデメリットなんでしょうか?
デメリットって自分ではどうしようもないことを言うと思うんですよね。勉強のモチベーションは自分で上げられるので、これはデメリットではないかなと思います。それに指定校で合格した子の方が、一般の子よりも先に大学の勉強に手を付けることは出来ると思うんですよ。一般の子よりも指定校の子の方が学力が低いという意見もありますが、これはその子のやる気次第だと思います。
大学を留年したり中退すると高校に迷惑がかかる
指定校という制度は高校と大学の信頼関係で成り立っています。「枠をひとつ用意するので、ぜひいい生徒を入学させて下さいね。」というものです。ですからもし指定校で進学して、留年したり中退したりするとそれは高校と大学の信頼関係を壊してしまうことになり、指定校の枠がなくなってしまうという結果になります。
体調不良で留年とか中退とかもありますから一概には言えませんが、大学に入学して「自分のやりたかったことと違うな」と感じて大学を中退したくなる子って結構いると思うんですよね。特に指定校の場合は、最初の方で話したように本当に行きたい大学ではなく、指定校にある中から選んだ大学に進学するパターンが多いので、そのようなミスマッチが起こる可能性は十分にあります。
ただやっぱり指定校で進学して中退というのは多くの人に迷惑をかけることになってしまいます。そのような結果にならないよう、指定校の大学選びというのは本当に慎重に行うべきです。
就活に影響が出る可能性がある
こういう噂があるんですけど、正直本当かウソか分かりません。
いろいろ調べたんですけど、「影響が出ない」という方は「そもそも企業との面接で大学受験で指定校で入ったかどうかなんて聞かれない」と言っていますし、「影響が出る」という方は「面接の中でそれとなく聞かれる」と言っています。面接の基準も企業によって当然違いますから、何とも言えないですね。
ただ確実に言えるのは、大学での成績は確実に就職の評価の対象になっているということです。指定校で大学に入学したんですけど就活が不安です、という子がいたら、まずは大学の勉強を頑張っていい成績を取って下さい。指定校で進学した子なら、そのような勉強は得意だと思います。
デメリットを知った上で後悔がない進学を
ここまで指定校のデメリットを7つあげてきました。どうですか?指定校が嫌になりましたか?指定校を目指している子には、なんかちょっと申し訳ないですね。嫌な所ばかりあげてしまったので。ただ、これらのことをちゃんと知った上で指定校をとることで後悔がない大学進学が出来るんじゃないかなと思っております。
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